【完】恋のおまじないNo.1
はーっ。



急いで背を向けたけど、肩で息をしてるの勘づかれてる?



やっべ、耳まで熱い。



「あっ、桃ちゃんからLINE」



ゆめは、俺なんてそっちのけで必死にスマホを眺めている。



「誰もいないときを狙って、部活が終わった後におまじないを実行してみるね、だって!成功するかな~、心配だぁ」




成功しねーよ。



ほんと、幸せなヤツ…。



「桃ちゃん、大丈夫かなぁー…気になるし、あたし今から学校に戻るね」



へ?



「部活終わんの6時じゃん。お前、暗いの怖いんだろ?」



おまじないのビラ作りに燃えて目の前見えなくなってっし、だから昨日だって、ついててやったのに…。



「そうだけどっ…お守りがあるから大丈夫」



まさか、自分で作った手縫いのお守り袋とか言うなよ?



チラッとゆめを見て、固まった。



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