【完】恋のおまじないNo.1
今のは、聞き間違い?




きょとんとしていると、ぶわっと吹き出された。




「聞こえてた?」





「え…あー、うん。え、と。あはっ、聞こえなかったぁ…」




聞こえてたけど、こんな展開とんでもないよ!




あたしは桃ちゃんの恋を応援しなきゃなのに。





「そか。じゃ、もう1回言う。俺と…痛っ」





紫藤くんの後頭部に、なにかが飛んできた。





床にぽとりと落ちたのは…あたしがさっき飛ばした、紙飛行機だ。





それを拾いながら、現れたのは…。





「俺の机、そこじゃねんだけど。ゆめ、俺のマフラー取ってすぐ帰って来るって約束だろ」





カズマ、用事があるって言ってたのにどうしてここに!?





近づいてきて、マフラーの端を掴んで自分の方へと引き寄せる。





勢い余って、カズマの胸に体ごとぶつかった。




「いっ…痛いよ」




「るせ。しくじってる場合じゃねーだろ」




コソッと、あたしの耳にそう告げる。




わあっ…いつから見てたの?




そうだよね、しくじった…確かにそうかも。




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