野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
湯本の駅で、また総史に電話した。


「なんだよ?」

「茜は、小学生の時にガンになって…」

「茜ちゃん?」

「何度も死にそうになって、治ったけど、5年以内に再発する確率が…60%って」


その場にしゃがみこんだ。


「オレだって怖いんだよ!どうしたらいいか、わかんねぇんだよ!茜はあきらめてる!オレには、どうにもできない!!」


みんなが見てる。


みっともない。


ちょ~ダサイ。



それが、どーした…



ガキみたいに泣いた。

ココロは波。

コントロールできない。


オレは怖い。

オレは怖い。

オレは怖い。


死んでいくことが、

死んでいくやつを見るのが、

みんな、みんな、

本当はいつか死ぬだってことが。



ようやく総史が言った。


「お前のこと話してたよ」

「だ、だれが?」

「茜ちゃん」

「…なんて?」

「この世に優斗は一人だから、もう好きな人は出来るはずないって」




そんなの…




絶叫した。


「オレだって!!そーなんだよっっ!!」


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