野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
優斗は、すくすくと成長していた。
あらゆるジュニアの大会を総なめにして、天才と騒がれるようになった。
ある日、リビングから聞こえてくる声に血の気が引いた。
「アカネが!」
「アカネは!」
「アカネに!」
な、なに?
なんで…?
母さんが苦笑いしてる。
「そんなに好きなら、一度連れて来なさいよ」
「だけどアカネは、体調が悪い日とかあるから」
「そうなの…?」
「でも必ず連れて来るから!もう俺のこと、かなり好きと思う!」
好きな子の話…?
好きな子の話を、高校一年にもなって母さんにするか!?
そんなことより『アカネ』って、
僕が考えてた名前じゃないか。
こいつの野生のカン…
もうテンネンどころか…
「兄ちゃん読んでくれた?アレ読んでくれた!?」
「読んだよ」
「カッコいくね!?あの写真マジで盛れてるっしょ!」
「ほんとうに…おまえ神がかってるよ…」
「神!?オレ神!?」
「上総?今ごろどこ行くのよ?」
「コンビニ」
優斗が上機嫌なほど、上総は不機嫌になって家に寄り付かない。
それに気づいてもいない…
これ見よがしに開かれた雑誌を見た。
母方ゆずりの日本人ばなれした顔立ち、
父親ゆずりの栗毛色でクセの強い髪とスタイルのよさ。
それが夕日に照らされている。
アポロンだ。
こいつは、なにも失わないのか。
どんな出来事も、こいつからは何も奪えないのか。
あらゆるジュニアの大会を総なめにして、天才と騒がれるようになった。
ある日、リビングから聞こえてくる声に血の気が引いた。
「アカネが!」
「アカネは!」
「アカネに!」
な、なに?
なんで…?
母さんが苦笑いしてる。
「そんなに好きなら、一度連れて来なさいよ」
「だけどアカネは、体調が悪い日とかあるから」
「そうなの…?」
「でも必ず連れて来るから!もう俺のこと、かなり好きと思う!」
好きな子の話…?
好きな子の話を、高校一年にもなって母さんにするか!?
そんなことより『アカネ』って、
僕が考えてた名前じゃないか。
こいつの野生のカン…
もうテンネンどころか…
「兄ちゃん読んでくれた?アレ読んでくれた!?」
「読んだよ」
「カッコいくね!?あの写真マジで盛れてるっしょ!」
「ほんとうに…おまえ神がかってるよ…」
「神!?オレ神!?」
「上総?今ごろどこ行くのよ?」
「コンビニ」
優斗が上機嫌なほど、上総は不機嫌になって家に寄り付かない。
それに気づいてもいない…
これ見よがしに開かれた雑誌を見た。
母方ゆずりの日本人ばなれした顔立ち、
父親ゆずりの栗毛色でクセの強い髪とスタイルのよさ。
それが夕日に照らされている。
アポロンだ。
こいつは、なにも失わないのか。
どんな出来事も、こいつからは何も奪えないのか。