野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
ドアが開く音がした。

母さんかと思ったら、上総だった。


「た、だいま…って、うわ!なんだこれ?」


部屋中めちゃくちゃだ。


「えええええ…これ優斗!?ケンカ!?」

優斗の頬を叩く。


「…あ」

僕の顔を見て、上総が後ずさった。


「今までどこ行ってた?」

「南の…ほうに」

「母さん置いて?」

「あ、ああ、そうだ。母さんは?」


なにも答えずに、ただ上総を見下ろした。


上総が唾を飲んだ。


「お前も同じ目に遭いたいか?」

「ごめ…」

「次こういうことが有ったら、お前の選手生命終わらせてやるからな」


上総の顔が恐怖に歪んだ。

「…すみません」


あーあ、

肩こった。

風呂入ろ。



「母さん迎えにいって。世良さんの家にいるから」

「わ、分かった」


上総が素早く退散した。
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