野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
ああ、すっきりした。


風呂から上がると、優斗が壁に寄りかかって半泣きしていた。

手にはスマホが握られている。


「おれ…」


まだ何かショックなことでもあったのか。

永年のウサも晴れたし、ネタばらししてやろうか。


母さんたちが帰ってきた。

「あーあ…庭でやんなさいって言うんだったわね」


上総がコソコソ片づけ始めた。

「お母さんは疲れてるからネ…」


調子がいいヤツ。


「俺、ほんとに茜と別れてた!!」


みんなが振り返った。


「そんなの…」

言いかけた上総を母さんが目で制した。


「電話も…メールも…つながらない…!」

絶望的な声で叫んだ。


「上総、明日やってもらう。お風呂入っちゃって」

「あの…夕飯…」

「ええー?食べて来なかったのぉ?」


優斗が転がった。

「マジで…うああああああああ…マジかよ!?うわああああああ!!」


母さんと顔を見合わせた。


もう少しだな。


もう少し黙っていよう…
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