野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
お弁当がない…
そんなはずない。
袋だけ持って来るなんてことある?
クラスを見渡した。
女子20人。
男子2人。
ボクを入れて23人。
「穂積くん、こっち見てるっ」
「やだっ。見ないでぇ」
目の合わないヤツがいる。
神夢(じんむ)くんだ。
さっき一人で外から帰って来て、先生に問い詰められてた。
「忘れものを見に行った」なんて言ってたけど。
ボクはトイレに行くふりをして、校庭に出た。
体育倉庫の辺りを探した。
…あった。
めっちゃくちゃに踏みつぶされてる。
お祖母ちゃんが作ってくれたオニギリも、
「ハイハイハイハイハイ、これは穂積くんのお弁当に」
って買ってきてくれたハムも…
一年生の時のことが頭に浮かんだ。
息がつけない。
髪をひっぱられて、顔を叩かれて、ランドセルを逆さまに…
「あ、ああ…!」
声が勝手に漏れだした。
ー分からない!どうすればいいのか分からないよ!ー
ーゆっくりゆっくり吐くー
ゆっくり、ゆっくり、
はく…
ハァ……………………………………
もどれた…
だけど、どうしよう。
ー息が楽になる方向に走ってー
ボクは保健室に行った。
「きゃ!なんか天使がキタ!」
上級生たちが騒いだ。
「どうしましたか?」
「せんせい、いっしょに来てください」
先生と、それに上級生たちも一緒についてきた。
「…ひっどい」
「ゆるせない」
「あなた達は戻りなさい。いい?すぐに対応するから人に言いふらさないで」
お姉さんの手が震えてる。
「こういうの…私…」
「戻りなさい。分かってるから」
このお姉さんも同じことされたことがあるのかな…
そんな気がする…
「ありがとう」
って思わず言っちゃった。
「え…」
「心配してくれて、ありがとう」
お姉さんの目に涙が浮かんだ。
「…この学校入って良かったって、君にも思ってほしい」
ボクはうなずいた。
ボクは負けない。
今度こそ、絶対に負けない。
そんなはずない。
袋だけ持って来るなんてことある?
クラスを見渡した。
女子20人。
男子2人。
ボクを入れて23人。
「穂積くん、こっち見てるっ」
「やだっ。見ないでぇ」
目の合わないヤツがいる。
神夢(じんむ)くんだ。
さっき一人で外から帰って来て、先生に問い詰められてた。
「忘れものを見に行った」なんて言ってたけど。
ボクはトイレに行くふりをして、校庭に出た。
体育倉庫の辺りを探した。
…あった。
めっちゃくちゃに踏みつぶされてる。
お祖母ちゃんが作ってくれたオニギリも、
「ハイハイハイハイハイ、これは穂積くんのお弁当に」
って買ってきてくれたハムも…
一年生の時のことが頭に浮かんだ。
息がつけない。
髪をひっぱられて、顔を叩かれて、ランドセルを逆さまに…
「あ、ああ…!」
声が勝手に漏れだした。
ー分からない!どうすればいいのか分からないよ!ー
ーゆっくりゆっくり吐くー
ゆっくり、ゆっくり、
はく…
ハァ……………………………………
もどれた…
だけど、どうしよう。
ー息が楽になる方向に走ってー
ボクは保健室に行った。
「きゃ!なんか天使がキタ!」
上級生たちが騒いだ。
「どうしましたか?」
「せんせい、いっしょに来てください」
先生と、それに上級生たちも一緒についてきた。
「…ひっどい」
「ゆるせない」
「あなた達は戻りなさい。いい?すぐに対応するから人に言いふらさないで」
お姉さんの手が震えてる。
「こういうの…私…」
「戻りなさい。分かってるから」
このお姉さんも同じことされたことがあるのかな…
そんな気がする…
「ありがとう」
って思わず言っちゃった。
「え…」
「心配してくれて、ありがとう」
お姉さんの目に涙が浮かんだ。
「…この学校入って良かったって、君にも思ってほしい」
ボクはうなずいた。
ボクは負けない。
今度こそ、絶対に負けない。