野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
こんな風だったからね、ボクはすっごく楽しみにしてたんだよ。

定期カウンセリング。


この日は、ママに付きそってもらってカウンセリングを受けて、その後ちょっとだけお茶するんだ。

家にいると、みんなのママだからガマンしないといけないんだけど、この時はボクだけのママなのが嬉しくて、三か月に一回が楽しみだった。


甘えっ子ですね、ボク。

ハイハイハイハイ、わかってます。


それなのにだよ!?


「優斗!?」


よりによって優斗!?


「なんで来たの?」

ボクは超低音ボイスで聞いた。


「八雲と千隼が入院して来れない」

「入院…」

「カゼで」


世界が暗くなった。

コドク。

これこそ、コドク。


「勝手に行くなよ」


道、わかんないくせに。


でも優斗、なんか変。

いつもは走らないと追いつけないほど、早足なのに。


顔も変。

ぶつけたのかな。
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