野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
目が覚めたら、兄ちゃんがいた。

「ブレイクは?」

「…駄目だった」


どこに…

駄目だった…?


「ケイは?」

「まだ見つかってない」


兄ちゃんがナースコールを押した。




いでででで…




「今日、何日?」

「15」


2日も寝てた。

もう産まれちゃったかなぁ。


「赤ちゃんは?」

「親父たちは病院」


じっとしてると、眠くなる…


あの波…

オレの波だった。


目の前にハッキリ見える。

ラインが見える。


「ユート、…」


あとはゴー!って言ってもらうだけだったのに。



ぜったいに、俺の波だったのに。



「ユート、…」



夜中に目が覚めた。



ー駄目だった…ー



駄目だった。


ダメだ、…った。


自分の口から、クビをしめあげられたような声がもれた。
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