野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
そんなことよりも…


オレは茜を見た。


生きてる。

生きてるよな?



「病気、治ったんだよな?」

「まぁね」

「また、なることとかあんの?」


茜が止まった。


あ、しまった。


「知らん」

茜は答えて、机に向かった。


「手術したの?」

「…した」

「そうなんだ」


茜はそのまま何も言わず、ペンを動かしている。


「見せて」

と俺は言った。


「自分でやれ」

「手術のあと見せて」


茜が立ち上がって、ペンを投げつけた。


「見世もんじゃねーんだよ!」


ノートも飛んできた。

いてっ!

カミサマも飛んできた!


「待って!待って待って!オレ!オレのも見せるから!」

「っんだあ!?」

「見て!ホラ!」


シャツをめくって見せた。

茜の荒い息が、だんだんと静まって行った。


「なにこれ…ヘビでも冬眠してんの?」


へび・・・!

この人、分かってくれた!


「雷でヤラれた。傷あとに肉が盛り上がって、こーなった」

「ふーん…」

「カッコイイっしょ!」



茜が顔をしかめた。

「オトコの勲章っすか」


傷つけたかも…

「…ごめん」

「団体で医者が見に来るんだよね。あれ、本当にヤダった」

「あ、ごめん。マジでごめん!」



茜が自分の服をめくった。


見た瞬間、その細さに驚いた。

ヘビが這った跡があった。

オレと逆。

ごっそり持っていかれた跡だった。


「ひくっしょ」

服が下ろされた。


「ううん。エロい…」

「エロい!?」

「エロいところが多いだけ…」


茜が吹き出した。

「ぶっ飛んでんね」

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