野崎兄弟のThousand Leaves（あかねいろ Thousand Leaves！番外編）

海外の大会は、いいよなぁ。

海岸線は、人だかりでピンボールがひしめき合ってるみたいだ。


波もいい。

こっちで暮らせたらな…


それには茜がどーにかしないと、ハナシになんねぇ。


あれから忙しくて、あという間に時間がたって…


なんなんだよ、アイツ。

高校卒業まで、ずっとこの調子でいくつもりかよ。

学生気分もいーかげんにしろよ。



…文化祭、もう終わったよな。



合図で、沖を目指す。


イイの来いよ。

ぜったいモノにしてやる。



今シーズンは、コワイもんない。

龍に乗っかって、どんどん上に行く。


世界中が自分を見てるカンショク。

それに、あんまカマワナクなってるオレ。


ただ、上に上に上に上に…



それを見た瞬間、全身の毛が逆立った。



あの波が


そこにあった。



あのオレの波。


ブレイクを吞み込み、

ケイを連れ去った波が。



丘からの音がふと消えた。



無音のまま、チューブに突入した。


ラインなんてそんなものなかった。


ただ連れて行かれるまま。



抜けた。


なんだ…


なんだ…？


なんの嬉しさもない。



居なかった…

ブレイクも

ケイも


居なかった。