野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
夜、自分の家に着いた。
不動産屋の息子・徹イチオシの一軒家だ。
海まで5分もない。
まだ新しくて、サーファーが便利だと思うあらゆる機能が、家中についていた。
いつも波の音が聞こえる。
この家に、茜は来ないのか。
自慢したいものが沢山あるのに。
それってもう、茜には何もカンケーねぇのか。
インターフォンが鳴った。
徹だった。
「うちの母ちゃんが、メシ持ってけって」
「ああ。助かる。よろしく言っといて」
徹が眉を寄せた。
「どうしたの?」
オレは、ラザニアらしきものが入ってる容器を持って、キッチンへ向かった。
「入っていーい?」
と声がした。
「うん…」
冷蔵庫から水を出した。
徹にもそれを放った。
なんもする気しねぇ。
ソファーに腰かけた。
「決着ついた?」
「ああ」
「なんだよ、優斗らしくない。どーした!」
もう言いたくないけど、言った。
「オレ、茜と別れてるんだって…」
徹がため息をついた。
「やっぱ、そうなんだ」
…やっぱ、そう?
オレは顔を上げた。
徹がペットボトルで肩を叩く。
「半年も会ってなくて、付き合ってるって言えんのかなって思ってたよ。遠いつっても同じ千葉に住んでんのに」
「やり直せるかな?」
徹が気の毒そうに言った。
「何にも連絡ないんでしょ?」
「ないけど…」
「カレシいるんじゃないかな?」
水を飲んだ。
総史と付き合ってる?
そんなわけない。
だけど、あの写真。
「総史が…アニキが、茜と付き合ってるって言うんだよ」
「え!!」
「写真も見せられた…」
徹が大きな声を上げた。
「じゃあ、あれってユートのアニキか!」
「ナニ?」
「夏に幕張で茜ちゃんに会ったんだよ」
「うそ」
そんな話、初めて聞いた。
「オトコとメシ食ってて…」
オトコ…
「アニキだけど、血はつながってないみたいな事言ったんだよ…」
そんなの、ありえねぇ…
そんな前から…
「どっかで見たことあんなって思ってたんだけど、ぜんぜんユートに似てないからさ。髪そんなじゃないし、パッと見は細いけど、肩と腰とかはドカっとした感じで…」
立ち上がった。
「え?」
靴もはかないで、外へ出た。
「え?え?」
目についたボードを手に取った。
不動産屋の息子・徹イチオシの一軒家だ。
海まで5分もない。
まだ新しくて、サーファーが便利だと思うあらゆる機能が、家中についていた。
いつも波の音が聞こえる。
この家に、茜は来ないのか。
自慢したいものが沢山あるのに。
それってもう、茜には何もカンケーねぇのか。
インターフォンが鳴った。
徹だった。
「うちの母ちゃんが、メシ持ってけって」
「ああ。助かる。よろしく言っといて」
徹が眉を寄せた。
「どうしたの?」
オレは、ラザニアらしきものが入ってる容器を持って、キッチンへ向かった。
「入っていーい?」
と声がした。
「うん…」
冷蔵庫から水を出した。
徹にもそれを放った。
なんもする気しねぇ。
ソファーに腰かけた。
「決着ついた?」
「ああ」
「なんだよ、優斗らしくない。どーした!」
もう言いたくないけど、言った。
「オレ、茜と別れてるんだって…」
徹がため息をついた。
「やっぱ、そうなんだ」
…やっぱ、そう?
オレは顔を上げた。
徹がペットボトルで肩を叩く。
「半年も会ってなくて、付き合ってるって言えんのかなって思ってたよ。遠いつっても同じ千葉に住んでんのに」
「やり直せるかな?」
徹が気の毒そうに言った。
「何にも連絡ないんでしょ?」
「ないけど…」
「カレシいるんじゃないかな?」
水を飲んだ。
総史と付き合ってる?
そんなわけない。
だけど、あの写真。
「総史が…アニキが、茜と付き合ってるって言うんだよ」
「え!!」
「写真も見せられた…」
徹が大きな声を上げた。
「じゃあ、あれってユートのアニキか!」
「ナニ?」
「夏に幕張で茜ちゃんに会ったんだよ」
「うそ」
そんな話、初めて聞いた。
「オトコとメシ食ってて…」
オトコ…
「アニキだけど、血はつながってないみたいな事言ったんだよ…」
そんなの、ありえねぇ…
そんな前から…
「どっかで見たことあんなって思ってたんだけど、ぜんぜんユートに似てないからさ。髪そんなじゃないし、パッと見は細いけど、肩と腰とかはドカっとした感じで…」
立ち上がった。
「え?」
靴もはかないで、外へ出た。
「え?え?」
目についたボードを手に取った。