野崎兄弟のThousand Leaves(あかねいろ Thousand Leaves!番外編)
猫舌のヘボさんは、コーヒーを一生懸命吹いている。


ヘボさんは50代、独身。

ゴルフ場で芝の管理をしながらサーファーやっている。

プロじゃないけど、ローカルでは有名だ。


日本人だけど、体のデカさとイカツイ顔つきから「ボブ」と呼ばれてた。

サーフィンしてるより、波間に揺られてニンゲン見てる時間の方が長い人で、

「ヘイ!ボブ!」がつまって「ヘボ」さんになった。



「うう~ん?」

「覚えてないかぁ。それがユートの元カノとアニキだったんだよ」

「ふーん…山ちゃんと幕張にいたとき…」


ヘボさんがコーヒーを置いた。


「ああ!?あんとき!?」

「そうだよ!アレがユートのカノジョで、もう一人がユートの…」

「違うよぉ~~~!」


ヘボさんが呆れた声を上げた。


「アレはユートのアニキじゃねーよぉ~!」

「違うの!?」

「アレはタケウチ・リョーヘイだろーがよぉ!」


…だれ?
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