ハラドキ・デスゲーム
「私、邦枝 千帆っていいます…
あなたは…?」
「ああ…えっと俺は…
高橋 有紗っていいます…」
「有紗くん…?
女みたいな名前ですね…
有紗くんに似合ってます。可愛い…」
「えっ……そ、そうですか…?
あ、ありがとうございます…////」
やっべぇ…
女の人……しかも、こんな綺麗な人に…
か、可愛いって言われた…っ////!
『おい、高橋!』
「あっ……」
い、いかんいかん!
これは、俺を油断させるための罠かもしれないんだ!
嬉しい…とか思っちゃダメだ!
そ、それに…
シンがキレちゃう…から!
「あ、あの……よかったら…
一緒に行動してくれませんか…?
ちょっと、一人じゃ心細くて……」
「あっ…ああ、いいで…………」
『高橋!!』
「あ、いや……うーん…ちょっと…」
「や、やっぱり……だ、ダメですよね…?」
邦枝さんは、涙目で俺に言ってきて…
俺は、そんな邦枝さんの姿に耐え切れず…
「一緒にいましょう!邦枝さん!
俺も心細かったので…!」
「有紗くん……
ありがとうございます…」
邦枝さんの手を握り、一緒にいましょう…と言ってしまった……
邦枝さんは、俺がそう言うと
涙を流して、嬉しそうに微笑んだ
や、ヤバイ……
これ……絶対に…
シン、怒ってる……
シンは、怒っているのか
何も言ってくれなかった
「千帆でいいですよ。有紗くん」
「あっ…じ、じゃあ…千帆ちゃんで…////」
俺は、目の前にいる綺麗な女の人…
千帆ちゃんにデレデレになってしまった
「有紗くんって……
パートナーをつけています…?」
「えっ……あ、うん…
つけてるけど……」
さっきから、シンが何も言ってくれないんだよね〜………
「やっぱり!
さっき誰かと話しているような感じだったので…
パートナーつけているのだと思いました!」
「う…うん………大正解…」
「私もパートナーつけているんです
有紗くんのパートナーの方は、男性ですか…?
私は、女性なんですけど……」
「あ…そうなの?
俺の方は、男だよ」
「そうなんですか
その方とも私、仲良くしておきたいのですが……」
「あ……させてあげたいけど…
ちょっと、無理かな…」
「何故ですか…?」
「うーん…と……
さっきから、そのパートナーの声が聞こえてこなくてさ……」
「えっ……それって…
パートナー解除されたのではないですか…!?」
「あっ…!」
そうだ……
パートナーは、パートナー解除出来るんだ
シン……
もしかして、俺に呆れ果てて…
パートナー解除したのかな……?
「大丈夫ですか……?」
「あっ…ご、ごめんね?大丈夫だよ」
俺が何も言わないのを心配したのか
千帆ちゃんは、俺の顔を覗いてきた
「大丈夫ですよ、有紗くん
私がついてます!
あっ、私と私のパートナーがついてますから!
私たちは、有紗くんを裏切りません!
一人にしませんから…!」
「千帆ちゃん……」
千帆ちゃんは、さっきの俺と同じように
俺の手を握って、ニコッと笑って言ってきた
千帆ちゃん………
その言葉……
シンも俺に言ってきたんだよ……
シン………