俺に溺愛される覚悟ある?
「なんか分かんないけど、昨日の昼、急に呼び出されて……そしたら横に知らない女がいてさ」
「う、うん」
「こいつが好きだから別れよ、って」
「えぇぇ〜〜!? なにそれぇ信じらんない〜〜!」
萌はそう言うと、両手で頬を覆って、椅子から立ち上がる。
彼女はいわゆる典型的なミーハータイプで、こう言う類の話には大抵こんな感じのオーバーリアクションだ。
いつもは、あーうるさいとしか思わないんだけど、今はむしろありがたい。
そう、だって何を隠そう……
萌が代わりに腹を立ててくれているから平然としていられるものの、
そうじゃなければ今すぐ翔とその女を殴りに行きたいほど、私のハラワタは煮えくり返っているのだから。