塩対応
春の昼下がり
「雪〜」
花が綺麗に咲く季節、僕は憂鬱だ。
雪は僕の許嫁なんだけど…
「何か用ですか?」
――最高に塩対応だ。
元々タレ目で
柔らかい顔立ちなのだが
姿勢や態度
キリッとした姿が僕を近づけさせない。
それでも僕は
今日も彼女に愛を注ぐ。
「ねぇ雪
今日は美術館に行かないかい?」
「結構です
花嫁修業で忙しいので」
デートに誘うと
いつもこんな感じで断られる。
だから――
「さぁ、行くよ。」
細い手を優しく
だけどしっかり握り
連れ出した。