腹黒王子と秘密の契約
ユアンはクリフォードとの会食を終えると、早々とその場から退席した。
特に会話もせずただ向かい合ったまま、あれ以上値踏みされるような視線を向けられることには耐えられなかった。
隙のない笑顔の下では、何を考えているのかわからない。
あまりにも全てが完璧に見えるクリフォードへの、苦手意識は増すばかりだった。
自分の周りにいるのは、嘘くさい笑顔を張りつけて近づいてくるような者ばかりだ。
そして、それは自分がギルト王国の国王であるからであり、誰もユアンというひとりの人間と向き合ってくれることはない。
部屋まで戻るために、城内でもすぐ後ろを付いてくる護衛の存在を鬱陶しく感じながらも、ユアンはただ黙って歩く。
早くひとりになりたかった。
常に見張られているこの環境に、慣れることなどなかった。
『おい、少し外の空気を吸いたい。
そこで待っていてくれ』
回廊を抜ける途中でユアンは足を止めると、黙って付いて歩く護衛二人を離れたところで待機させる。
等間隔で並ぶ柱に背中を預けると、深く息を吐き出す。
うんざりするほどよく晴れた空を見上げると、頭上を鳥が気持ち良さそうに飛んでいた。
特に会話もせずただ向かい合ったまま、あれ以上値踏みされるような視線を向けられることには耐えられなかった。
隙のない笑顔の下では、何を考えているのかわからない。
あまりにも全てが完璧に見えるクリフォードへの、苦手意識は増すばかりだった。
自分の周りにいるのは、嘘くさい笑顔を張りつけて近づいてくるような者ばかりだ。
そして、それは自分がギルト王国の国王であるからであり、誰もユアンというひとりの人間と向き合ってくれることはない。
部屋まで戻るために、城内でもすぐ後ろを付いてくる護衛の存在を鬱陶しく感じながらも、ユアンはただ黙って歩く。
早くひとりになりたかった。
常に見張られているこの環境に、慣れることなどなかった。
『おい、少し外の空気を吸いたい。
そこで待っていてくれ』
回廊を抜ける途中でユアンは足を止めると、黙って付いて歩く護衛二人を離れたところで待機させる。
等間隔で並ぶ柱に背中を預けると、深く息を吐き出す。
うんざりするほどよく晴れた空を見上げると、頭上を鳥が気持ち良さそうに飛んでいた。