腹黒王子と秘密の契約
「ご、ごめんなさい…」
転びかけて呆然とするリリーの腕を離そうとした時、アランは何かに気づいたように顔をしかめた。
至近距離で怖い顔をするアランに、リリーは怯んだように後ずさる。
「お前…酒臭い」
「え?」
突然のアランの言葉にぽかんと口を開けたまま、リリーは気の抜けた顔をした。
「お酒なんて飲んでないよ?」
「いや、今気づいたけどお前少し顔も赤い。
なんか妙に陽気なのも、酔っ払ってんだろ」
「え〜?」
全く心当たりのないことを言われて、リリーは小首を傾げる。
「今まで仕事してたんだよ?
さっきの夕食でもお茶しか飲んでないもん。
アランだって隣にいたでしょう?」
「けど、お前…」
そこまで言って、アランは考える素振りを見せてから何かに気がついたのか、リリーをジッと見下ろした。
「な、なに?」
「さっき食ってたケーキ、どんなやつだった?」
「え、すごく美味しかったよ。
しっとりしてて、あんまり甘くなくて、なんだか大人の味ってカンジで…
それにすごくいい香りがしてたよ」
転びかけて呆然とするリリーの腕を離そうとした時、アランは何かに気づいたように顔をしかめた。
至近距離で怖い顔をするアランに、リリーは怯んだように後ずさる。
「お前…酒臭い」
「え?」
突然のアランの言葉にぽかんと口を開けたまま、リリーは気の抜けた顔をした。
「お酒なんて飲んでないよ?」
「いや、今気づいたけどお前少し顔も赤い。
なんか妙に陽気なのも、酔っ払ってんだろ」
「え〜?」
全く心当たりのないことを言われて、リリーは小首を傾げる。
「今まで仕事してたんだよ?
さっきの夕食でもお茶しか飲んでないもん。
アランだって隣にいたでしょう?」
「けど、お前…」
そこまで言って、アランは考える素振りを見せてから何かに気がついたのか、リリーをジッと見下ろした。
「な、なに?」
「さっき食ってたケーキ、どんなやつだった?」
「え、すごく美味しかったよ。
しっとりしてて、あんまり甘くなくて、なんだか大人の味ってカンジで…
それにすごくいい香りがしてたよ」