腹黒王子と秘密の契約
『ユアン様…
そろそろお部屋へ戻られたほうが…』
今まで離れたところで待機させられていた護衛達は、いつのまにかユアンの背後に困り顔で立ち尽くしている。
昨夜のパーティーの途中でも、たくさんの護衛がユアンの迎えに現れていた。
またしても同じ光景を目の当たりにしたリリーは、もしかするとユアンはかなり身分の高い人物なのではないかと考え始めていた。
『…ごめんなさい、ユアンお仕事中だったんだね。
じゃあ、もう行かないと…』
『別に、気にしなくていい…
お前達、下がっていろ』
今までの和やかな雰囲気が一変して、険悪な空気が漂う。
しかしユアンの不機嫌な声に萎縮しつつも、護衛達は引き下がらなかった。
『し、しかし…パレードのご準備もございますし…』
『え、パレード?
それって、これから王都で行われる王族の…』
『っ…!!
わかっている。もう…戻る』
聞こえてきた会話にリリーが反応すると、ユアンはそれを遮るように答えた。
護衛を引き連れ、リリーに背を向けると昨夜のようにさっさと歩き出す。
その瞬間の感情を押し殺すような表情を見てしまったリリーは、なぜかとても寂しそうな後ろ姿を呼び止めた。
そろそろお部屋へ戻られたほうが…』
今まで離れたところで待機させられていた護衛達は、いつのまにかユアンの背後に困り顔で立ち尽くしている。
昨夜のパーティーの途中でも、たくさんの護衛がユアンの迎えに現れていた。
またしても同じ光景を目の当たりにしたリリーは、もしかするとユアンはかなり身分の高い人物なのではないかと考え始めていた。
『…ごめんなさい、ユアンお仕事中だったんだね。
じゃあ、もう行かないと…』
『別に、気にしなくていい…
お前達、下がっていろ』
今までの和やかな雰囲気が一変して、険悪な空気が漂う。
しかしユアンの不機嫌な声に萎縮しつつも、護衛達は引き下がらなかった。
『し、しかし…パレードのご準備もございますし…』
『え、パレード?
それって、これから王都で行われる王族の…』
『っ…!!
わかっている。もう…戻る』
聞こえてきた会話にリリーが反応すると、ユアンはそれを遮るように答えた。
護衛を引き連れ、リリーに背を向けると昨夜のようにさっさと歩き出す。
その瞬間の感情を押し殺すような表情を見てしまったリリーは、なぜかとても寂しそうな後ろ姿を呼び止めた。