腹黒王子と秘密の契約
「わたしは瞳と同じ色のこのグリーンのドレスがいいと思うんだけど。
靴は…これ。バッグはこれかな。
ねぇ、どう?」

「うん、すごく似合ってる。とっても素敵!」

デザイナーである祖母に頼まれてモデルの仕事もしているクレアは、スタイルも抜群でセンスも良く、どんなドレスも着こなせる。

身体にドレスを合わせたままポーズをとるクレアを、リリーは拍手をして興奮気味に褒め称えた。

「うふふ。ありがと。
じゃあ、次はリリーの番ね」

「え?」

「そうね…リリーはやっぱり可愛らしいイメージのがいいかしら。
でも子供っぽくはならないように…う〜ん、これか、それともこっちかな」

そう言いながら、クレアはたくさんのドレスの中から選んだ数着を眺めながら悩んでいる。

「わたしのリリーのイメージはやっぱり優しい淡い色で…このベビーピンクなんてすごく柔らかい雰囲気で最高にかわいいでしょう!?
小さい花が散りばめられたレースが繊細で、ふんわり広がったスカートもリリーにとっても似合うと思うの!
でもバックデザインは背中がレースで透けてるから、キュート過ぎないし上品なセクシーさがあるのよね」
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