腹黒王子と秘密の契約
「あっ、あの！
自分で脱ぎます！自分でできますから！」

今まで着ていたシンプルなワンピースを脱がされて、当たり前のように下着を外そうとしてきたメイドの行動に、リリーは顔を真っ赤にして抵抗している。

「ですが…クレアお嬢様にお手伝いするようにと言いつかっておりますので…」

「でも…あの、恥ずかしいです…」

人に着替えを手伝ってもらった経験のないリリーには、今この部屋に自分以外の人間が三人もいることにも戸惑っている。

さすがトップファッションブランドのデザイナーの家のメイド達なだけあって、皆スタイリッシュで美しい女性達ばかりだ。

彼女達にとってはこれも仕事であるのかもしれないけれど、慣れないリリーにはただ逃げ出したいほど恥ずかしい。

どうにかドレスを途中まで着るところまではひとりでさせてもらい、その後のことは全て任せてお願いすることにした。

「リリー様はお肌が透き通るように白く綺麗でいらっしゃるので、淡いピンク色のドレスがとても映えますね」

「栗色の髪も柔らかくて美しいです。ドレスに合うように髪はふんわりアップにすると素敵ですよ」

「メイクも素肌が綺麗なのでナチュラルに、チークとリップはドレスに合わせてピンクにしましょう」
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