腹黒王子と秘密の契約
「あまりにも気持ちよさそうに寝ていたから、ここに運んだんだ。
そんなに心配しなくてもいい。誰にも見られてはいないから」
そう言いながら組んだ長い足を解き立ち上がると、ゆっくりとリリーのいるベッドへと近づいてくる。
リリーはその姿を、我が目を疑うようにまだ信じられない思いで見つめていた。
煌めく金髪も碧色の瞳も、幼い頃から憧れてやまなかった絵本の中の王子様にやはりそっくりだ。
間違えるはずがない、今リリーの目の前で美しい微笑みを浮かべている人物は、ノルディア王国のクリフォード王子本人だった。
「でも、あんなところで眠るのは感心しない。
見つけたのが俺だったからいいものの…」
言葉はリリーを咎めているけれど、その表情は穏やかで優しい。
それでもクリフォードの言葉が全く頭に入ってこないほど、リリーは混乱している。
「ク、クリフォード王子がどうして…」
「どうしてって…
ここは俺の部屋だからね」
「えぇ!?」
「何者なのかわからない君に、客人として部屋を用意するわけにもいかなかったから」
わずかにスプリングを軋ませて、クリフォードはリリーのいるベッドへ片膝をつき乗り上げた。
そんなに心配しなくてもいい。誰にも見られてはいないから」
そう言いながら組んだ長い足を解き立ち上がると、ゆっくりとリリーのいるベッドへと近づいてくる。
リリーはその姿を、我が目を疑うようにまだ信じられない思いで見つめていた。
煌めく金髪も碧色の瞳も、幼い頃から憧れてやまなかった絵本の中の王子様にやはりそっくりだ。
間違えるはずがない、今リリーの目の前で美しい微笑みを浮かべている人物は、ノルディア王国のクリフォード王子本人だった。
「でも、あんなところで眠るのは感心しない。
見つけたのが俺だったからいいものの…」
言葉はリリーを咎めているけれど、その表情は穏やかで優しい。
それでもクリフォードの言葉が全く頭に入ってこないほど、リリーは混乱している。
「ク、クリフォード王子がどうして…」
「どうしてって…
ここは俺の部屋だからね」
「えぇ!?」
「何者なのかわからない君に、客人として部屋を用意するわけにもいかなかったから」
わずかにスプリングを軋ませて、クリフォードはリリーのいるベッドへ片膝をつき乗り上げた。