腹黒王子と秘密の契約
「イタ…」
後頭部を打ちつけてしまったリリーは、涙目になりながら体制を整えて起き上がる。
「大丈夫か?」
クリフォードはリリーの前に片膝をついて屈み込むと、心配そうに声を掛けた。
いつのまにかまたすぐそばにいるその存在に、リリーの心臓は休まる時がない。
「だ、大丈夫ですっ」
恥ずかしさで顔を上げられないリリーの気も知らず、クリフォードはリリーを軽く引き寄せると、柔らかい栗色の髪に手を潜らせて後頭部を確認している。
「コブになるんじゃないか?
凄い音がしたけど」
「いえ、丈夫にできてるので…全然平気です…」
「そんなわけないだろ。
悪い、そんなに驚くとは思わなかった」
ほんの少し触れられただけで真っ赤に固まるリリーの様子に、クリフォードは少しの間何かを考えていたけれど、堪えきれないといった様子で肩を揺らし笑っている。
いきなり笑い出したクリフォードをリリーは不思議そうに見上げ、その屈託のない笑顔に胸をときめかせる。
「…あの」
「あぁ、悪い…
青くなったり赤くなったり、表情がコロコロ変わるんだな、と思ったんだ。
どうやら、俺の思い過ごしだったらしい」
後頭部を打ちつけてしまったリリーは、涙目になりながら体制を整えて起き上がる。
「大丈夫か?」
クリフォードはリリーの前に片膝をついて屈み込むと、心配そうに声を掛けた。
いつのまにかまたすぐそばにいるその存在に、リリーの心臓は休まる時がない。
「だ、大丈夫ですっ」
恥ずかしさで顔を上げられないリリーの気も知らず、クリフォードはリリーを軽く引き寄せると、柔らかい栗色の髪に手を潜らせて後頭部を確認している。
「コブになるんじゃないか?
凄い音がしたけど」
「いえ、丈夫にできてるので…全然平気です…」
「そんなわけないだろ。
悪い、そんなに驚くとは思わなかった」
ほんの少し触れられただけで真っ赤に固まるリリーの様子に、クリフォードは少しの間何かを考えていたけれど、堪えきれないといった様子で肩を揺らし笑っている。
いきなり笑い出したクリフォードをリリーは不思議そうに見上げ、その屈託のない笑顔に胸をときめかせる。
「…あの」
「あぁ、悪い…
青くなったり赤くなったり、表情がコロコロ変わるんだな、と思ったんだ。
どうやら、俺の思い過ごしだったらしい」