腹黒王子と秘密の契約
「えっと…アラン?」
この距離で聞こえないはずはないのだから、やはり怒っているのだろう。
今までも色々と迷惑をかけてきたけれど、今回のことでとうとう愛想をつかされてしまったのかもしれない。
もう話もしてもらえないのかと、リリーの顔が悲しげに曇る。
「ちょっと、アラン!
そんなに怒ることないでしょう!?
リリーも謝ってるじゃない!」
ずっと黙って様子を見守っていたクレアが、リリーを挟んで座るアランに向かって身を乗り出した。
少し強引にアランの着ているタキシードの袖口を引っ張り、話を聞こうとしないその態度を責め立てる。
「クレア!いいよ、大丈夫だからっ」
「別に怒ってない…」
「…え?」
いまだに顔は背けられたままだけれど、アランは落ち着いた声でしっかりと呟いた。
その言葉を聞いたリリーとクレアは、同時に間の抜けた声を出す。
「アラン、怒ってるんじゃないの?」
去年同様、もしくはそれ以上のお説教を覚悟していたリリーは首を傾げている。
その問いかけで、アランはようやくゆっくりとリリーの方へと向き直った。
「だからもう怒ってないって…
なんでそうなるんだよ」
この距離で聞こえないはずはないのだから、やはり怒っているのだろう。
今までも色々と迷惑をかけてきたけれど、今回のことでとうとう愛想をつかされてしまったのかもしれない。
もう話もしてもらえないのかと、リリーの顔が悲しげに曇る。
「ちょっと、アラン!
そんなに怒ることないでしょう!?
リリーも謝ってるじゃない!」
ずっと黙って様子を見守っていたクレアが、リリーを挟んで座るアランに向かって身を乗り出した。
少し強引にアランの着ているタキシードの袖口を引っ張り、話を聞こうとしないその態度を責め立てる。
「クレア!いいよ、大丈夫だからっ」
「別に怒ってない…」
「…え?」
いまだに顔は背けられたままだけれど、アランは落ち着いた声でしっかりと呟いた。
その言葉を聞いたリリーとクレアは、同時に間の抜けた声を出す。
「アラン、怒ってるんじゃないの?」
去年同様、もしくはそれ以上のお説教を覚悟していたリリーは首を傾げている。
その問いかけで、アランはようやくゆっくりとリリーの方へと向き直った。
「だからもう怒ってないって…
なんでそうなるんだよ」