腹黒王子と秘密の契約
『ヨハン、別にいい。
グラハム大臣、平気ですよ。
こんな格好でこちらこそすみません。
それで、こんな朝早くから何か用が?』
ユアンはヨハンからシャツを受け取ると、すぐにそれに袖を通しながら答える。
少々強引なこの大男、グラハムはギルト王国の有力貴族であり、貴族院の議員として大臣も務めている。
ユアンと共に、今回ノルディア王国にやってきた人物のひとりだ。
『はい、それが先ほどクリフォード王子からユアン様へ一緒に朝食はどうですか、とお誘い頂きまして。
是非、とお返事しておきました。
それをお伝えしようと伺ったのです』
グラハムは嬉しそうにそう告げると、ユアンの返事を聞くこともせず、満足そうにさっさと部屋を後にした。
あいかわらずせっかちで一方的な男だと、ユアンは盛大なため息を吐いて再びベッドへ倒れるように寝転ぶ。
まったく食欲はないけれど、ノルディア王国の王子と一緒にこれから朝食を食べなければいけないらしい。
『ユアン様…』
横になったまま動かないユアンにヨハンが声を掛ける。
しばらくなんの返答も反応もないことにヨハンが焦りを覚え始めた頃、観念したようにユアンはのろのろと起き上がった。
グラハム大臣、平気ですよ。
こんな格好でこちらこそすみません。
それで、こんな朝早くから何か用が?』
ユアンはヨハンからシャツを受け取ると、すぐにそれに袖を通しながら答える。
少々強引なこの大男、グラハムはギルト王国の有力貴族であり、貴族院の議員として大臣も務めている。
ユアンと共に、今回ノルディア王国にやってきた人物のひとりだ。
『はい、それが先ほどクリフォード王子からユアン様へ一緒に朝食はどうですか、とお誘い頂きまして。
是非、とお返事しておきました。
それをお伝えしようと伺ったのです』
グラハムは嬉しそうにそう告げると、ユアンの返事を聞くこともせず、満足そうにさっさと部屋を後にした。
あいかわらずせっかちで一方的な男だと、ユアンは盛大なため息を吐いて再びベッドへ倒れるように寝転ぶ。
まったく食欲はないけれど、ノルディア王国の王子と一緒にこれから朝食を食べなければいけないらしい。
『ユアン様…』
横になったまま動かないユアンにヨハンが声を掛ける。
しばらくなんの返答も反応もないことにヨハンが焦りを覚え始めた頃、観念したようにユアンはのろのろと起き上がった。