腹黒王子と秘密の契約
戸惑いの表情で自分を見る執事の姿に、ユアンは叔父である昨夜のカミルを重ねていた。

まるで腫れ物に触れるような扱いをされる度に、妙な苛立ちを抑えられなくなりそうになる。

それも全て、あの日から始まったのだ。

悪夢のような、あの出来事から。

『…準備だったな。急ごう』

『はい…お手伝い致します』

重苦しい空気が部屋に漂う中、ヨハンは黙ってユアンの着替えを手伝い始めた。








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