裏切り者-ituki-
「おいおい、聞いたか?例の話」
「"あの人"も出てくるって話だぜ!!」
「遂に西の奴等が動き出したってことか」
夜の繁華街に出た私は、思わず暗闇で先が見えない路地の目の前に立っていた。
この辺りは、女は近寄れない雰囲気が漂っている。一言で言うなら、危険。ということだ。
だからと言って、全く女がいない訳ではない。
おっさんとホテルに入っていく女。どっかのチンピラと地面に座って煙草を吹かすギャル。
さっきから、視線を感じるのは援交目的の女と思われてるんだろう。
恥ずかしい話、私はビビってる。
繁華街とは無縁の人生だったし、来ることも無いと決め付けていた。何故かこの場所は、近寄っては行けない気がした、、