裏切り者-ituki-
そんな私が、何故こんな所にいるのかと言うと
兄の死から、慌ただしい日々が終わり、自分の部屋で一眠りしようと入った時に戻る。
「つかれた…」
考える暇も無いまま、葬儀を終えると一気に疲れが出てきた。
元々親戚は少なく、関わりも無かった為、少ない人数の中、何事もなく終わった。酷い話、兄の知り合いは、どう連絡をつけていいかも分からず、一人も呼ぶことができなかった。
空はもう赤く染まりかけている。
シーンと静まり返った廊下。
家の中の静けさが、余計に寂しさを感じさせた
自分の部屋に入ると、隅に光るものに目が止まった。
「なんだろ…」
近づくとすぐその正体が分かった。
携帯だ。