初恋の独り言
私は店を出て、駐輪場に向かいました。借りたものを自転車の前かごに入れ、鍵を外してゆっくりとペダルをこぎ始めました。不思議といつもより、ペダルが軽く感じました。私は軽快にペダルをこぎ続け、20分位で家につきました。私は一軒家に両親と2つ上の兄と、4人で住んでいます。父は仕事が忙しく家にはあまりいません。大学生の兄も外出してるか、自分の部屋にこもってるかで、食事の時には、ほとんど母と2人でした。家族揃って過ごす時間はありませんでした。私は決まった場所に自転車を止め、玄関をあけました。ドアをあけ壁にかけてある時計に目を向けると3時を少し回った頃でした。私はリビングでテレビを見ていた母に、ただいまと言ったあと、キッチンに向かい、買い置きしているお菓子と冷蔵庫から飲み物を取り、部屋がある2階に、足早に上がりました。ドアをあけ部屋に入り、借りてきた物をベッドの上に置いて、私は部屋着に着替えました。私はひとつため息をついた後に、借りてきたCDをパソコンに取り込むことにしました。兄が新しいのを買ったので兄のお古です。私の部屋には兄のお古がたくさんあります。机も小さなテレビもCDコンポもゲーム機もお古です。 我が家はそんなに金持ちではありませんが、自分の時間を割いて働く父のおかげで、不自由はありませんでした。建築関係の営業をしている父は、仕事が忙しく、家にあまりいないかわりにと、欲しい物は買ってくれました。お金でごまかされてると、母は少し複雑みたいです。CDをパソコンに取り込み終わると、私は再生プレイヤーをパソコンに繋ぎました。