武道女子と冷淡社長の嘘結婚
marriage 3
「じゃあね、おじいちゃん」
「うん、またおいで」
「……っあ、あたりまえだよ…」
久しぶりにおじいちゃんに会えて、泣きそうになる。
すぐ家に帰って、
夕食の準備。
「ケホッ…」
「莉加様、風邪ですか?」
「大丈夫ですよ。ケホッ」
今朝から…喉が痛い。
のど飴をいったい何個嘗めたんだろ。
坂北さんと、相内さんという黛さん専属のお手伝いさんが、あたしにかわって夕食を作ってくれた。
黛さんはいつもより帰りが遅い。
このお二人と、もう一人のお手伝いさんは夜10時までの契約らしい。
そして、10時まであと1分。
「お疲れさまでした」
「莉加様、声が枯れてきてます。お身体を温めてお休みください」
「へへへ、はい。ありがとうございます」