好きになんてなるもんか!
まさか!?
あれから二週間後…
私達は、及川学園の入学式兼始業式に出ていた。
ゔー早く終わんないかなー…。
疲れたし!!
『続いて各教師の紹介になります。』
あ!やっと終わるー。
『最後に保険医の紹介です。』
そういわれても、特に興味ないから無視して下を向いていた。
『保険医の新庄奏です。
よろしくお願いします。』
え…新庄…奏……?
まさか!
そう思って壇上を見るとスーツに白衣を着た、メタルフレームメガネの男の人がいた。
うそ……なんで?
『これで、入学式を終わりにします。
全員起立!礼』
その後は軽いホームルームをして下校になった。
私はホームルームが終わると、バックを持ってすぐに教室を出ようとした。
「希湖!」
聞き覚えのある声がして振り返ると…。
「奏!」
教室にみんながいるのも忘れてそう叫んだ。
「奏…なんで黙ってたの?すごくびっくりしたんだからねー。」
少しプクッと頬を膨らましてそっぽを向いて怒ったふりをしてみる…。
「ごめんね。でも、希湖がびっくりしたんだったら作戦成功だ!」
そう言ってにこりと子供っぽい笑みを浮かべた。
「なんなのよそれー、作戦って…」
「ごめんって言ったろ?」
でも…
「許さない。」
絶対に許さないんだから……。
「パフェ奢るから!」
ゔっ
「仕方がないから…許してあげる!
その代わりデラックスチョコパフェね!」
そう言うと奏は苦笑した。
「仰せのままに」
ゔー今回こそは、許さないって思ってたのに『パフェ』はずるいよー。
「イチャイチャする時間あるなら帰れよな。」
そう言ってきたのはお父さんだった。
「イチャイチャなんてしてませーん。」
ま、いーや。
そう思いながら教室を見回してみると、教室にいたのは、私と唯斗、五月、聖、奏、お父さん、そして、私と同じプロデュース科の有栖川さんだけで、他のみんなはとっくに帰っていた。
「おっはよー!」
………は?
「あ!先生すみません遅刻しましたー。」
誰?そう思いながら、教室の入り口を見ると…
「そ、蒼空?」
そう、私の幼なじみの柿本蒼空にそっくりだった。
「え、希湖?
久しぶりだなー。」
「え!本当に蒼空なの?
ほんっと久しぶりだねー。」
そう言いながら私達は五分位話していた。
「ほら、帰れよー。
総下校時刻過ぎんぞー。
俺今日はもう帰るから一緒に帰ってやるからよー。」
いやいや
「「「「頼んでねーよ」」」」
私と唯斗、聖、五月の声が綺麗にハモった。
「とりあえず、帰った方がいいと思いますけど…」
そう言われて声がした方を見ると、有栖川さんが立っていた。