好きになんてなるもんか!
友達
「あれ?
芸能科の子達まだ残ってんの?
早く帰ってね。」
「有栖川さんも一緒に帰らない?」
そう声をかけると、嬉しそうに「うん」と言って頷いた。
ー帰り道…
なぜか…無言…。
メンツは…私、唯斗、五月、聖、有栖川さん、蒼空、奏、お父さん。
ていうか…やっぱり…このメンツでなにを話せと言うんだ!?
とか、いろいろ考えていると…
グー
誰かのお腹が鳴った…。
だいたい予想は、できるけど…
「お腹空いちゃった!」
そのまま「てへぺろ」とでもつきそうな感じで言ってきたのは、蒼空だった。
「蒼空…」
呆れて何を言えばいいのやら……。
「……希瑚…オムライス作って!!」
…言うと思った…。
でも…さすがに…
「希瑚スペシャルオムライスだな!柿本が言いたいのは?」
何故そこにノル!
ノッかるなよ!
察してよ!
黄金寮に連れていけと?!
「希瑚の家行きた~い!」
「えと…私も香山さんのオムライス食べたいかも…。」
あ、有栖川さんまでー!
「どうすんの?」
みんなには、聞こえないようにこっそりと唯斗に聞いた。
そう聞くと、唯斗はニッコリと微笑んだ。
---ドキッ!
は…何今の…『ドキッ!』て、なんだよとドキッて!
意味わかんないよ!
「希瑚?」
なにも言わない私を変に思ったのか、唯斗が顔を覗いてきた。
うわっっっ
近い近い近い!
顔近いよ!
「え……と」
「希瑚は…あの二人を信頼できる?
友達だと思ってる?」
二人を?
「友達だよ!
蒼空も、有栖川さんも、唯斗も、五月も、聖も…私の大事な友達だよ!」
「香山さん…私…」
有栖川さん…
「勝手に…ごめん。
私は、知り合って数時間の有栖川さんの事友達だと思ってる…。
だから、蒼空と、有栖川さんに作る!私すスペシャルオムライス。だから…」
「黄金寮に行こう。」そう言いかけた、でも…言ってもいいのかな?私が言ってもいいって一人で突っ走って…三人の考えは?「やっぱり今の無し」そう言おうと思って口を開きかけると…。
「有栖川と柿本には、わかっていて欲しい事があるんだけど。」
お父さんがそう言った。