好きになんてなるもんか!

心を込めて!


グー

誰かの腹の虫が鳴った…。
「お腹すいちゃった!」
そう言ったのはお父さんだった。
この…こんの…
「この、クソ親父がーーーー!!!」
そう言って私はまたお父さんの事を殴ったことは、言うまでもない………と、思う。



「ねぇねぇー、希瑚そろそろご飯…」
あ!そ、そうだった!
この人の相手しててすっかり忘れてたわ。
よし!ごっはんごはーん♪♪
たっけたっかなー?♪

て、あ、あーーー!

「ごっごっごっ」
「『ごっごっごっ』ってうるさいぞー希瑚。ズズッ!」
イラッ!
うざっ!

まぁ、落ち着こう…。
と、とりあえず…ご飯炊かなきゃ。
そう思ってキッチンに向かって歩いて行こうとすると、
ピーッピーッ
という機械音が聞こえた。 
て、へ?
この音…たった二週間だけど、覚えた。
ご飯が炊けた時鳴る音だった。

「なっ、なんでっ!」
「俺が炊いといた。」
声がしたほうを見ると、奏が立っていた。
「オムライスには、ご飯が必要だからね?」
あ、あたりまえじゃん!
まぁ、感謝をしなくはないかな?
「ねぇねぇー、希瑚早く作ってよー!はやくー、はーやーくー、はっやっくっ!はーやーくー、はっやっくっ!はーやーくー、はっやっくっ!はーやーくー、はっやっくっ!」
うざっ!
「はっやっくっ!はーやーくー、はっやっくっ!はーやーくー、はっやっくっ!」
うっざっい!
「だ、だまれぃ!」
ど、どこの役者だよ!
自分で言って自分でつっこむなんて…虚しすぎる…。
「す、すぐ作るから…。」

パタパタっ

と、音を立てて私はキッチンに走っていった。
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