好きになんてなるもんか!
「香山…希瑚…」
男の人は私の名前を繰り返して言った。
…な…なに名前に文句でもあんのかしら…
「とりあえず、家入れば」
そういって男の人は私の腕を引いた。

「ただいまー」
約1時間後玄関から声がした。
「今日の仕事は疲れたよー」
「明日は学校あるからね。」
『仕事?学校?』
どういうこと?
「え…と」
「お前は黙ってろ」
そういって男の人は
玄関の方に向かって歩いていった。

少しして男の人は
2人の男の人を連れて戻ってきた。
「この子?
 由宇さんの娘って…」
いま…なんて…
「由宇さんって…」
私が呆然として言うと
1人の男の人が口を開いた。
「キミの…希瑚のお父さん…でしょ?」
「どうして…知ってるの?
 私の名前もお父さんの名前も」
なん…で…ど…して…
「オレたち、QURUTっていうアイドルなんだ」
男の人ははっきりと言った。
「私…帰ります」
そういって私を立ち上がり玄関に向かって歩いていった。
< 3 / 16 >

この作品をシェア

pagetop