好きになんてなるもんか!
大好き!
『脅して』
その言葉がずっと頭の中を支配し続けていた。
「じゃあお父さんは…私とお母さんを守るために、わざと悪者になって…」
「だから、希湖ごめん!!」
そう言って頭を下げてきた。
ていうか、これでお父さんのこと許さなかったら私が悪者じゃん。
でも…本当のことが分かってよかった。
「お父さん、私…」
『ごめん』そう言い掛けるとお父さんは私の唇に、人差し指を軽く当てた。
「希湖はなにも悪くないよ。」
そんなこと…言わないでよ…。
勘違いしてた。
「お父さん…さっき…あんなことが言いたかったんじゃないよ…」
そう言って私はお父さんの所へ走って思いっきり抱きついた。
「うおっ!」
そんな声が聞こえたけどいいや。
「あのね、誤解しててごめんなさい…
お父さんのこと…大好きだよ!」
私は満面の笑みを浮かべて言った。