化け物達の運命
彩香サイド

「怖く・・・ないですよ?」

「なんで俺が聞こうとした事がわかった・・・」

「なんとなくです」

そう、本当になんとなく
紫苑さんの考えていることが分かった

「あ、紫苑さんは
 手当てをしてくれるんですよね
 ありがとうございます」

軽くおじぎをした後
私は、傷口を紫苑さんに見せる。

「お、おう」

紫苑さんは少し動揺したが
すぐに、傷口を丁寧に治療し始めた

「紫苑さんって器用なんですね」

私は素直な感想を言っただけなのに
紫苑さんは、顔を真っ赤にさせた

「べ、べべべ、別に器用なんかじゃねぇよ!!」

「あの・・・顔真っ赤ですよ?
 風邪ですか?」

もしそうだったら大変・・・
治療はむしろ紫苑さんがされるべきじゃ・・・

「お前・・・
 もういい、治療が終わるまでだまっとけ」

「はい」

私は、言われたとおりに
治療が終わるまで黙った

「よし!!
 終わったからもう、喋っていいぞ!」

「治療お疲れさまです」

数十分後、やっと治療が終わったらしく
紫苑さんに一言いい
また頭を下げる

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