化け物達の運命
彩香サイド

やはり理由を聞かれてしまった
それもそうだ、気まぐれで助けた女性に
なんの前触れもなく泊めてくれと言われたのだから

「それは・・・」

「それは?」

本当は外が怖いのだがそんな事を言えるはずもなく

「あのナイフの男性が怖いから・・・です」

でも、あの男性が怖いのも事実だ
私は嘘を言っていない

「あぁ、暁のメンバーか」

「あかつき??」

「暁、あの男がいる会社というよりは
グループ名のほうが当てはまるか」

グループ・・・?
あんな怖い人がまだ沢山?
そう思うと私はカタカタと体を小刻みに震わせる

「そんなに怯えなくてもいい」

紫宛さんは優しく私の頭を撫でる
そのおかげで体の震えもおさまった

「それと、泊まってもいいぞ
今度は助けられる保証がないからな」

「本当ですか!?」

私は嬉しさのあまりに紫宛さんとの距離を一気につめる

「あぁ、嘘じゃねぇよ。」

「ありがとうございます!
本っっっ当に!」

そしてつい、涙を流してしまう

「!?
大丈夫か!傷口が痛むのか!?」

この日
私は初めて知った、涙は
悲しい時だけじゃなく
嬉しい時も出てくるのだと言う事を

そして、人の
いいえ、同じ化け物の体温が
こんなにも暖かく
優しいのだと言う事を
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