例えば...

別れ



「長いようで短かった2週間………」



"はぃはぃ。"お決まりの台詞やな。


そぉ思いながらアタシは下を向き、適当に拍手をした。

そんなアタシに知世は言った。

「なぁなぁ蝶々。日向先生にアド渡そや。」

ニコッと笑いながら楽しそぅに言う。
もちろんアタシは

「ぢゃ、今日戻ったらすぐ書かな!!」

と言った。




アドレスを書いた紙を握り、職員室へ向かった。


「先生がおらんくなったら悲し~わ」
なんて思ってもないことをスラスラ言った。

"またバスケ教えてや"
と言い、アドレスを渡してその場から去った。



部活をし終え、帰ったアタシはなんだか気分がよかった。

でもその気分はすぐに悪くなる。





2日たっても、3日たっても、彼からの連絡は来なかった。


"なんやねん。"
と思いながら、携帯を置いた瞬間だった。


《メール遅くなってごめんやで!! 日向直人です。登録しといてや。》

短かったけど、遅かったけど、確かに彼がメールをくれたのだった。


知世に連絡した。
知世にもメールが来たそうだった。

















あん時、アドレス渡してなかったら…
アタシの中にただの【一人の先生】て記憶しか残らんかったんやろな。

まさかこんな大切な人になるなんて…。

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