例えば...
「では、みんなに新しい先生を紹介する。」
体育の先生の声が体育館に響いた。

「ぇ、今日から2週間…教育実習に来ました。日向直人といいます。よろしく」


あたしは下を向いたまま適当に拍手をしていた。




「さぁ、では跳び箱の練習開始。」
先生の声と共にみんなが一斉に動き出した。


「はぁ…かったる」

あたしは一人でバレないように壁にもたれてみんなを見ていた。


「みんなよくやるわ。」

「でも…お前もやらないといけないぞ。」

日向…先生?
あたしの隣で壁にもたれかかっていた。


あたしは"カッタル"と呟いて練習しに行った。



手をあげて合図をし、勢いよく走り出した。

案の定…あたしは跳び箱の上にまたがり、座っていた。


「蝶々…本間に跳び箱苦手やねんなぁ~!!」
と小学校からの友達が、あたしをカラカイに来た。


あたしは日向先生に"跳び箱とか跳べへんし"
と言い、順番待ちの列に並びに行こうとした。

その時だった。

「高谷!!必ず支える。だから怖がらず跳んでみろ!俺を信用しろ。」

先生の声が体育館に響いた。
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