例えば...
先生がなぜあたしにこだわるのかは分からなかったけど、嬉しかった。


あたしは先生の声を聞いた後…立ち止まった。

そして笑顔で"いや"と言って再び跳んだ。
見事失敗。[そらそぅか]と思いつつ戻ろうとした。

でも…先生の悪魔のような一言を耳元に感じた。

「俺が信用できないなら必ず次は跳べよ。無理だったら何がなんでも、俺のゆぅとこを聞け。」


あたしはそそくさと戻り緊張しながら再び跳んだ。






目をあけると…横には先生、そしてあたしは…






跳び箱の上にいた。



"ェヘッ"と先生に笑った。


その時…体育の先生の声が聞こえた。

「はぃ!跳べない奴もいるだろうが、今日は一度テストをする。」




体育館には"ぇえ~"とゆぅみんなの声が響いた。






あたしの順番は早かった。


「次高谷。」
体育の先生の声と共にあたしは走り出した。


"あれ?"
疑問に思う間もなく、先生は"もう一度"と言った。

"は?おかしくなぃ?"
そぅ思いながらあたしは言われるがまま、跳んだ。




目をあけると、あたしはマットの上に立っていた。

と、同時にみんなの拍手が聞こえた。



自然と笑みがこぼれた。
戻ろぅと思い後ろを振り向くと…
日向先生が笑顔で拍手を向けてくれていた。



ウカツにもあたしは
ドキっとしてしまった。


[……なに考えてんねん。教師なんやし、生徒に拍手するんは当然やんけ。]
あたしはそぅ呟ぃた。

ぅぅん…
自分に言い聞かせていたんだ。
【特別】なんて思わないよぅに。


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