例えば...

距離



アタシは家につくと、
兄がまだ家に帰っていないか確かめて兄の部屋へと向かった。

「アルバム…アルバム……ぁ、あった!!」

"日向、ヒナタ、ひなた"
アタシは無我夢中に探した。
10分ほど経っただろうか。

"のっとらんやんけ"
アタシはキレながらも兄のアルバムを丁寧に直した。





「蝶々~ご飯やで。」
母の声と共にアタシは食卓へ向かった。


「なぁなぁ…お母さん。日向とかゆぅ奴知っとる?」

知るわけなぃか…。
と思ったときだった、母は言った。

「ぁあ!!日向くん?そこの日向くんやろ?確か名前は、なお…なおや?」

「……なおと?」


「そぉそぉ!!直人くん。家そこやんか~」




"はぁ?近所?最ッ悪"

「日向君がね、お兄ちゃんの前に生徒会長やったんょ。で、会長やめるときに、お兄ちゃんに、[お前がやれ]って声かけてくれたんよ~」


アタシは"はぃはぃ。"と言い残し自分の部屋に行った。











アタシと先生は出会う運命やったんかな?
こんなにも近い存在やのに気持ちは遠すぎた。

先生とアタシは近すぎてアカンかったんかもしれんわ。


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