もう、二度と離さねぇから
彼女はそういってふわりと微笑んだ。

「…ま………ど……か…?」


俺はその名前を聞いたとたん思い出したくもない記憶が頭のなかを駆け巡った。


「あの…どうかしまし…あっ、えっと…ど、どうしたのっ?」

「…あ、ごめん。じゃあもういくね、ばいばい。」

俺はそういって、職員室に入った。

一刻も早くその場を離れたかったから。

顔が変わりすぎてわからなかった。

あの女がまどかだっただなんて…。

俺は頭が混乱したまま、俺の担任であろう教師の話を聞き流した。

そしてはっと我にかえったときはもう教室の前だった。

なん組か確認すると…。

プレートには2年2組と書いてあった。
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