紙飛行機~ラブレターの想い~
「祈音〜!」
「あ、那智」
天体観測の時間が終わり、生徒が集合場所に集まる。
イケメン先輩と過ごしていた那智の口元は、緩みまくっていた。
「楽しかったみたいだね」
「ふふふ。うん、すっごくね」
頬に手を添えながら、笑みをこぼす那智。
私は、惚気ですか、と呟きながら苦笑した。
「祈音は?結局、誰と過ごしたの?」
何かを期待しているような那智の目には、しっかりと私が映っていた。私にもわかるくらい、はっきりと。