紙飛行機~ラブレターの想い~


時間が巻き戻るような、そんな錯覚に落ちる。その一歩で、私の世界はまたぐるりと回る。

「うん」

はっきりと頷いた自分の声が、プールに響いた。自分の声なのに、自分の声じゃないように聞こえた。


プールサイドを歩き、プールを出る。
そして私たちは、プールに一番近い南校舎に入った。


明かりがどこにもない、光のない校舎は、結構怖かった。
真っ暗な校舎に、ゴクリと喉を鳴らす。

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