紙飛行機~ラブレターの想い~


天体観測を行った山からバスで下山して10分後。だから今の時刻は、きっと8時近くだろう。

そんな時間に南校舎に続く扉が開いていたということは、まだ校舎内に誰かいるということ。

私は咄嗟に脳を動かし、そう考えた。

足音をあまり立てないように、静かに歩く。どうやら千夜も同じことを考えていたみたいで、足音に気をつけて歩いていた。


「懐かしいね」


つい最近までは、ここに通ってたのに。ずっと前のことのように感じてる。


< 119 / 349 >

この作品をシェア

pagetop