紙飛行機~ラブレターの想い~


「そうだな」

私の呟きに、千夜は階段を上りながらしみじみと言う。

目を閉じれば、鮮明に思い出せる。
3年間、笑いあった日々を。


だけど.....

思い出すのは、そんな微笑ましい思い出だけではないんだ。
苦しくもがいた辛い日々も、一緒に思い出してしまう。


忘れてしまいたい記憶が、未だ胸の奥に刻まれている。その現状が、胸を締め付けた。

「大丈夫か?」


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