紙飛行機~ラブレターの想い~
昼休み。
私は購買に行き、パンを買っていた。
「荻原」
「あ、千夜。なに?」
後ろから声をかけられ振り返ると、炭酸ジュースを持った千夜がいた。
「もうマネージャー、やんねぇの?」
「またその話?」
この話はこれでもう五度目だ。
何回も何回も、なんでその話をするのか。
「やらないよ。高校ではのんびり過ごしたいの」
私は横目で千夜を見ながら、冷たくそう言う。
「それに、野球部にはもうマネージャーはいるでしょ?」
「いるけど......」
けど?
複雑そうな表情をした千夜は、一瞬言葉を呑み込んだが、すぐに口を開いた。
たった一瞬の沈黙が、私の胸に突き刺さる。