紙飛行機~ラブレターの想い~


ポタリ。
涙が頬を滑り、地面に落ちた。
こぼれ落ちた涙が、次の涙を誘った。

『ふっ.....、うぅ.....』

涙が溢れて、視界がぼやける。

みんな頑張って野球をしているのに、稲森さんには伝わってないの?みんなの全力が。

そのことがすごくすごく悲しくて、苦しくて、辛くて。
放課後の部活の時間が好きだったのに、稲森さんのせいで黒く淀んでいくようだった。

影すらもできない地面には、涙の跡が残っている。

寂しくて、私は止まらない涙のしょっぱさを噛み締めた。


< 234 / 349 >

この作品をシェア

pagetop