紙飛行機~ラブレターの想い~
稲森さんの真っ黒な存在が、いつも私の背後にあった。嫌な緊張が走る。
誰にも頼れない、相談できない。そんな状況だった。
涙はとっくに枯れて、空を見上げる勇気さえなくて、希望の光というモノもなくて。
だんだんとちっぽけな自分に苛立って、悔しくて、押しつぶされそうだった。
野球が好きなだけなのに、なんでこんな気持ちにならなくちゃいけないんだろう。私がいけなかったの?
ーーもう、こんなの嫌だ。