紙飛行機~ラブレターの想い~


そう思っても、中学三年間マネージャーを続けたのは、私のちっぽけなプライドだった。

どんなに辛く苦しい状況でも、この瞬間だけは見届けたかった。最後の最後まで。


中学3年、最後の夏の大会。
結果は準決勝で敗退。


悔し涙とサヨナラなんだ...という切なさが混じって、複雑な気持ちになったのを覚えてる。

そんな涙だらけの部室内でひとり、稲森さんだけは泣いていなかった。

小さな笑みを落とし、『やっと終わりだ。これで東城くんにもっとアピれる』と呟いた声が聞こえた。


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